とんぼ玉とは、
穴のあいたガラス玉に、異なった色ガラスでいろいろな文様を溶かしつけた玉の呼び名で、
外国ではアイビーズと呼ばれており、日本ではトンボの眼に似ているからと言われています。
紀元前15世紀頃、文明の発生地である古代メソポタミアやエジプトの人々は、
高度な技術を使った色ガラスを発明し、美しい人工の宝石としてとんぼ玉を作りました。
美しい玉に引きつけられる人の心情は、洋の東西を問わないようで、
世界中にとんぼ玉にまつわるエピソードが残っています。
15世紀から19世紀にかけてベネチア、オランダ、ボヘミア等ヨーロッパの各地で
作られた美しい色と文様を持ったとんぼ玉は、大量にアフリカ大陸へ持ち込まれ、
貨幣の代わりに金、象牙との交換に重要な役割を果たしました。
今もそのときの玉がアフリカには、たくさん残っています。
装飾品や魔除けとして高貴な人々に用いられた玉は、
今日でもまだ世界各地で作り続けられていて、世界の人々を魅了し続けています。
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