harumi'HP 『とんぼ玉』と『シルクスクリーン版画』を製作しています。 


1 原案・版下製作 シルクスクリーン版画印刷の簡単な作業工程 刷り方

原案は、光の透さないものなら、なんでもOK。薄いえんぴつで描かれたものならコピーを取るなどして、処理しておきます。
近頃、Macにて原案作成。イラストレーターが得意な私は、パスでイメージをおこします。そして、分版、バックの色、線の色などとと効率がいいように、レイヤーごとに考えます。プリンターで黒一色で出力し、これを版下にします。

2 スクリーン版に焼きつけ

スクリーン版に焼きつけです。まず、Mコートという耐油性のジアゾの感光剤を塗って乾燥さします。
版に光源を当てて基本的には感光する所、しない所をつくります。(焼付けの写真あります)

3 水 洗 い

これも重要で、感光剤の光が当たっている所は定着し、そうでない所は水で解けて流れてしまいます。
線が細い所は、要チェック!? 乾燥後、ピンホールは目止めで処理します。

4 紙の断裁

紙は基本的にはシルクスクリーン印刷では、あらゆるものに刷れる印刷方式です。看板や布やケーキまで。
私は「いづみ」という洋紙を使っておりほどほどに重さも厚さも感じられるいい用紙です。アルシェも刷りましたがスキージーを曵くとき重く感じられましたので使っておりません。
紙を断裁する時も気をつかいます。これがトンボのずれを招く一つの原因。10枚位合わせて大型カッターで一枚ずつ切る気持ちで慎重に切っていきます。

5 イ ン ク

インクを用意。私の作品はセイコーアドバンスのJRPというインクを使っています。原則的には、赤・黄・青・白・黒・メジュームがあれば表現できますが、色を作るには難しいものです。
水性でもいいのですが重ね刷りが多い為、いくぶん濁るようですので、発色のいい油性のものを使っています。
刷りやすくするために、10%のメジュームを入れるとイイらしいです。溶剤でインクの固さを調節します。固さはたこ焼きの作る程度の柔らかさと言われます。家で刷る時は換気が大変です。

6 刷 り

まずはバックの色からスキージーという道具を使って、こそげる感じで、インクを刷っていきます。スクリーンの版がぬけている所はインクが落ちるという理屈。(刷りの写真あります)
トンボをあわせて一版ずつ、一枚一枚刷っていきますが、インクが乾くなど目詰りしないように十分注意して、やれ紙を数枚入れるなどしてズレ、カスレ、色の具合を調節していきます。
少ない作品で10版、多い時で20版ぐらいの版数になるので出来た時、楽しい分苦労もいっぱいです。スクリーンは剥離剤を使って何回も版を再生出来ますので、大切に扱っています。

7 サ イ ン

出来た時、作家はサインができる喜びを感じます。反省も多いのですが。
そして額縁の選択でも悩みますが、一番うれしい時です。


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本当に、ごくごく簡単にスクリーン印刷の行程のことを書かせていただきました。
街でシルクスクリーン版画が飾られていたら、ぜひ近くに寄って作品を観賞してくださいね。